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導入事例集


愛知県岡崎市立常磐中学校
協調性育むホームページづくり
イントラバケッツで小学校や地元JAとの交流も

 愛知県岡崎市は学校教育の情報化に積極的な地域のひとつ。
市内約60の小中学校と、自治体など関連施設とを結ぶ「岡崎教育ネットワーク」を構築中だ。
常磐中学校はこのネットワークを利用して、地元JAとの交流学習を実施。また同居する小学校ともホームページを介して学年を超えた交流をはかっている。
[生徒数]220人/各学年2クラス
[コンピュータ台数]
 生徒用40・サーバ1(PC教室用イントラネット用)
 ・先生用1・テレビ会議用サーバ1・端末2
[設置教室]PC教室+α
[インターネット接続状況]
 自治体ネットワーク(光ファイバー使用のCATV網)利用、
 常時接続1.5M以上
[ホームページアドレス]
 http://www.oklab.ed.jp/tokiwa/
[ご担当者]渡邊政則先生

[使用ソフト]

 ■イントラバケッツII
 ■クイッククイズ

 岡崎市の「岡崎教育ネットワーク」は、生徒間のネットワーク利用の推進や、学校・事務局間の連絡の効率化、教育情報・研究成果・指導事例の共有化などを目的に、国や市の情報化事業を活用して進められている。現在、光ファイバーによるCATV網を使い、市内約60の小中学校と自治体がネットワーク化され、将来的には図書館や美術館、病院など関連施設とも結ばれる予定だ。
 光ファイバーによる常時接続、それも通信速度1.5M以上という恵まれた環境を利用して、常磐中学校では昨年、常磐小学校と共同で地元JAとの交流学習というユニークな授業を行った。
小中合同で稲の生長記録ホームページ作成

子どもたちが作ったイントラバケッツの画面
子どもたちが作ったイントラバケッツの画面

 
 「交流学習で稲作に挑戦」と題されたこの単元は、常磐小学校5年生と常磐中学校2年生が「総合的な学習の時間」として一緒に行う珍しいもの。常磐中学校は現在、校舎全面改装のため常磐小学校に同居中で、せっかくのこの機会を両者の交流に活かそうというわけだ。
 もともと常磐小学校では5年生が稲作を行っており、一昨年からは田植えと稲刈りに中学生が参加して共同学習を行っている。そこで、小学5年生と中学2年生がペアを組んで、協力しながら稲作を行い、稲の生長記録をつけ、米を使った料理を作って合同収穫祭で祝おうというのがこの単元の目標だ。そしてこの交流学習では、コンピュータネットワークをフルに活用することも重要な要素とした。
 中学校には生徒用パソコンが40台、小学校には10台あり、中学校のサーバを使ってイントラバケッツIIで同時に作業ができる。さらにテレビ会議用サーバは地元JAと結ばれ、テレビ電話も使うことができる。今回の授業では、テレビ電話を使ってJAの方に稲作に関する質問などを直接聞き、それをホームページづくりに活かした。そして稲の生長記録は、イントラバケッツIIを活用した。
「イントラバケッツIIはメニューが子ども向けで、ホームページを制作しやすかったです。JAの方にあらかじめ見てもらうために、ペアごとに質問などをホームページの形にして見てもらい、その後、生長記録を加えていきました」
 こう話すのは、指導に当たった常磐中学校の渡邊政則先生。
 中学生は最初は田んぼの中に入るのを嫌がったり、なかなかペアを組んだ小学生と一緒に活動できない場面もあったようだが、パソコンを使う段になると積極的になる生徒もいて、授業を重ねるにつれて意欲的に交流をするようになったという。
 生長記録ホームページは、稲の写真や作業している様子の写真に、折々の観察結果やJAの方に聞いてわかったことなどを文章にしてまとめる。そしてグループごとにホームページを発表し、評価し合った。
 いまではイントラバケッツ内で、常磐中学校と常磐小学校の交流ページも開設、コミュニケーションの活発化に役立てている。
生徒自らの問題作成で理解を深める
中学生が小学生にアドバイスしながら進められる
中学生が小学生にアドバイスしながら進められる
 常磐中学校では、現在、各学年週1回はパソコンを使った授業を行っており、選択科目の理科では週に2、3時間はパソコンを使っている。
 導入しているソフトは、先述のイントラバケッツIIとクイッククイズクイッククイズは理科の授業など、主に復習の際に活用している。楽しく復習ができることと、自分たちで問題を作ることができる点がいいと渡邊先生。
「自分たちで問題を作るうちに学習内容をより深く理解できるのがいいです。生徒たちからやらせてほしいと人気が高いですよ」
 2年生の理科の授業では、「動物のなかま分け」でイントラバケッツIIを利用。魚類や両生類、鳥類、ほ乳類といった動物の分類を写真などを入れながらホームページにして、次の年の2年生が先輩の作ったページに更にデータを加え、発展的なものにしている。その年限りではなく、継続して常磐中学校独自のデータベースづくりをしていこうという試みは注目に値する。
「先輩の作ったページに後輩がさらに付けたしていくという形でひとつのホームページを作り上げていく。そこに協調性が生まれてくるんです」
 自治体主導の恵まれた情報環境を活かすも殺すも学校次第ということは良くいわれることだが、常磐中学校は学校間、そして地域の大人との交流を柱に、ネットワークを有効活用している好例といえるだろう。

 小学校5年1組・中学校2年B組 総合的な学習の時間学習指導案
平成13年7月6日(金)第5時間目(PM1:45〜2:35)中学校パソコン教室(小学校パソコン教室)
指導者 三井 泉(小) 渡邊 政則(中) 

1.単  元  交流学習で稲作に挑戦

2.単元目標
○小学校5年生
・自分の考えを持ちながら稲を育てる体験活動を通して,農家の人の苦労や努力を考えることができる。
・中学生と一緒に考え,協力していく活動を通して,自分自身の考え方やあり方を見つめることできる。
○中学校2年生
・小学生ができないことを手助けしたりすることを通して,年少者への思いやりの心を持つことができる。
・JAの人に,稲作のことなどにアドバイスをしてもらうことにより,年長者から学ぶことの大切さを理解し,小学生との米作りを意欲をもって行うことができる。
○共通
・稲の生長記録ホームページの作り方でわからないことを小中学生が聞いたり教え合ったりしながら,自分のアイデアを積極的に取り入れて,よりよい生長記録を完成していくことができる。
・よりよい生長記録のホームページになるように,分からないことをJAの人に聞いて書き加えたり,友だちの作品にアドバイスすることができる。

3.単元構想
 常磐中学校の校舎全面改築のため,平成12年4月より平成15年3月まで,常磐小学校校舎での小中共同生活が始まった。先年度の小学校運動会への中学生の参加協力から一歩進めて,今年度の運動会は小中合同で行い,中学生が小学生の土台を担う形で組み立て体操を行うなど,お互いの良い面を生かしながら活躍する姿が見られた。
 一方,小学5年生は毎年稲を育てており,5月の田植えと10月の稲刈りを昨年度より中学生と共同して学習を行ってきている。中学校のパソコン教室には,地域の農業共同組合(JA)とつながったパソコンが設置してあり,米作りに関する質問をテレビ電話形式でJAの人に聞くことができる。稲を育てていく期間中,困った時にJAの方に協力を願って,アドバイスをしていただくことにより,より積極的に米作りをさせていきたい。さらに,行事以外の面でも同じ校舎内に生活する上でお互いに協力し合いながら活動していけるようにしたい。

4.活動計画( [ ]数字は活動時間数、( )内数字はそのうちの交流時間数)
第1次  顔合わせ交流会をしよう 小[1] 中[1](1)
第2次  一緒に田植えをしよう 小[1] 中[1](1)
第3次  パソコンを使って生長記録のホームページを作ろう 小[5] 中[3](3)
第4次  稲をしっかり観察して,よりよい生長記録のホームページにしよう 小[2] 中[2](2)
第5次  生長記録をJAの人にも見てもらおう 小[1] 中[1](1)
第6次  みんなで,自分たちが育てている稲の生長会議をしよう(本時) 小[1] 中[1](1)
第7次  稲を育て,秋に稲刈りをしよう 小[3] 中[3](3)
第8次  お米を使った料理を考えよう 小[2] 中[2](2)
第9次  お米を使った料理をつくり,合同収穫祭をしよう 小[1] 中[1](1)

5.本時の活動
(1)児童・生徒の実態  
 中学校2年B組36名,小学校5年1組30名,計66名で姉妹学級を構成している。第1次で中学生と小学生は交流する相手を組んでおり,いくつかのペアを組み合わせて,5つのグループを構成している。各グループは一緒に田植えを行った。その際,中学生はなかなか田に入ることのできない生徒や,汚れることを気にする生徒も見られ,最初はなかなか交流相手と一緒に活動できない場面も見られた。しかし,第3次で「次はパソコンでまとめていこう」という課題になると,「パソコンなら大丈夫,まかしてよ。」と言う生徒も見られた。そして,小中合同の授業を重ねるにつれ,少しずつ心の成長が認められ,お互いの相手とも意欲的に交流をするようになってきている。また,合同で稲の観察を行うことにより,気付きにくい疑問や深まった考えをもつ者も増えてきている。稲に詳しいJAの方とテレビ電話で直接話しを聞いたり,質問をすることができるということで本交流学級の児童・生徒は,意欲を示すようになってきている。
(2)目 標
(小)稲に対する疑問を主体的に考え,交流活動を通して自分なりの考えを深めることができる。
(中)稲に対する疑問を小学生を手助けしながら一緒に考え,中学生なりの考えを深めることができる。
(3)展 開

過程
(分)
学習活動
小学校5年・中学校2年
教師の活動
中(T1)・小(T2)
備考






10
(分)

1. 稲の根についての疑問を考え,自分なりの意見を発表する。 ・田植えをした当初の稲の根と,現在の稲の根を見せ,どのような変化があったか考えさせる。(T1,サポートT2)
・2,3名を指名する。(T1,T2)
・M,A組の疑問を導入に利用。
2.JAの方のコメントを聞く。 ・JAの方に意見を簡単に答えてもらう。 ・JAの方にも,授業の始めからテレビ会議システムで参加してもらっておく。

3.本時の学習目標を確認する。

・本時の学習課題を掲示し,確認する。(T1)

 
みんなで、自分たちが育てている稲の生長会議をしよう。(JAさんとのテレビ会議)





28
(分)
4.稲の生長記録ホームページを見せJAの方のご意見を聞く。 ・テレビ会議の司会をし,パソコン教室の児童・生徒とJAの方がうまくやりとりできるようにする。(T2)
・テレビ会議システムの操作をする。(T1)
・必要に応じて,児童・生徒の疑問を書いた紙を掲示していく。(T2)
・テレビ会議の司会(T2)
・機器操作(T1)
・テレビ会議の画面をプロジェクタで投映(T1)
・ワイヤレスマイクを多数利用。
・質問を書いた紙を掲示し,JAの方にも送信する。(T1)
5.テレビ会議で,Y・F・O組の疑問を,みんなで考え自分なりの意見を発表する。

・Y・F・O組の質問を児童,生徒に投げかけ,自分なりの意見を発表させる。(T2)

○どうして、稲は4・5本まとめて植えるですか?
 
6.テレビ会議で,O・NA組の疑問を,みんなで考え自分なりの意見を発表する。

・O・NA組の質問について考えさせ,意見を発表させる。(T2)

○日のあたる所と日のあたらない所では、稲の生長に違いがあるのですか?
・スカイメニューの動画配信機能で各生徒機に画像配信
 (T1)
7.スクリーンに映っているJAの方のアドバイスを聞く。 ・JAの方に,アドバイスをしてもらうように促す。(T2) ・スクリーンの画面の切り替え
 (T1)

8.挨拶をしてテレビ会議を終了する。

・児童・生徒に,挨拶をJAの方にするように指示して,テレビ会議を終了する。(T1)  





10
(分)
9.本時でわかったことを,パソコンを使って稲の生長記録ホームページに付け加え,発表しあう

・テレビ会議でJAの方から教えていただいた内容を,稲の生長記録ホームページにまとめるように指示し,2,3のグループを発表させる。(T2)

・できたホームページについて、うまくまとめたグループを賞賛する。(T1,T2)

・イントラバケッツIIを利用(制作用)(T1)
・スカイメニューV3を利用
 (発表用)(T1)





2
(分)
10.本時の反省を自己評価カードに記入する。 ・自己評価カードを記入するように指示する。(T2) ・自己評価カード
11.パソコンアンケートに答え 結果から次回の活動に意欲を持つ。 ・パソコンアンケートで集計し,結果を表示し,次回の活動への意欲を喚起する。 ・スカイメニューのアンケート機能を活用
(4)評 価 
(小) 稲に対する疑問を交流活動を通して,自ら進んで解決しようと努力し,稲作に対して意欲を持ち活動しようとしたか。
    ────────────────9の稲の生長記録ホームページと10の自己評価カードから
(中) 稲に対する疑問を小学生と協力しながら一緒に考え,中学生なりの考えを深め,意欲的に交流活動をすることができたか。
    ────────────────9の稲の生長記録ホームページと10の自己評価カードから
 
 
 


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