先生の工夫と教材が生む学びの形
~授業と冬休みの宿題にラインズeライブラリ~

沖縄県石垣市教育委員会・平真小学校
沖縄県石垣市教育委員会・平真小学校
 サンゴ礁と亜熱帯の自然に囲まれた石垣市は、日本最南西端の都市です。LDX公開授業でも活用された、ラインズeライブラリと一斉授業との組み合わせの工夫、石垣島からの「学びの挑戦」をご紹介します。
学年 小学校、教育委員会、小6、
教科・単元 算数・数学、社会、
利用画面 授業、授業・導入、授業・展開、授業・まとめ、
内容 デジタルドリル思考力育成解説教材カード帳

いろいろカード帳で既習事項の確認

社会

6年:

戦争と人々のくらし

めあて:

中国との戦争は、どのような戦争だったのか調べよう

▲いろいろカード帳で既習事項をおさらい
 授業の導入は、いろいろカード帳で既習事項の確認からスタート。「短時間でテンポよく確認できることが魅力」と宜保先生。基本的な知識の定着を図り、声に出して答えることで、クラス全体が楽しく学習に向かっていました。

解説教材の活用と思考力育成問題で次の授業につなげる

 次に、デジタル教科書や資料集から国内の様子を読み取り、スライドにまとめます。なかには、ラインズeライブラリの解説教材・確認問題を活用して、より深く学び、スライドにまとめる児童もいました。
 授業のまとめでは、次の授業への見通しをもたせ、児童の興味・関心を高め、導入につなげる工夫として、思考力育成問題を提示していました。
 既習前の問題でもグラフや表を読み取り、選択肢から選ぶことで、手を挙げて自分の意見を出すことができます。知識を問うだけでなく、考えるきっかけを作っておくことで、学びのスイッチを入れ、次の学習に向かう意欲を引き出していました。
▲思考力育成問題を提示し関心を高める
▲思考力育成問題
 【考えよう】アジア・太平洋に広がる戦争 

インタビュー

自己選択と自己決定の力を育てたい
6年担任
宜保 勇人 先生
 ラインズeライブラリを活用し始めて、児童の学習姿勢に変化を感じています。以前は「この問題に挑戦してみよう」と促していましたが、今では「発展問題から」「基本をもう一度」と選べるようになり、自分の理解度を見極め、自己調整の力が育っています。また、教員の負担も軽減されました。プリントを準備しても授業展開で使わず終わることもありましたが、ラインズeライブラリなら準備不要で、柔軟に活用できます。さらに、学習履歴を確認することで、習熟度の差や学年全体の課題が可視化され、指導の方向性を考える助けにもなっています。
 児童には、多くの選択肢から自分に合ったものを選び、やり抜く力を身につけてほしいと考えています。ラインズeライブラリは、その手段となり、学びを支える存在になっています。

思考力育成問題で対話的・協働的な活動に

算数

6年:

並べ方、組み合わせ

めあて:

修学旅行のまわり方は、全部で何通りあるか考えよう

▲ 思考力育成問題
 【考えよう】場合の数の調べ方
  単元のまとめの本時では、思考力育成問題に挑戦しました。全体で何を問われているかを確かめ、グループで解き方を考えます。既習事項の組み合わせ方・樹形図を意識しながら、意見を出し合うことで正答に近づきます。
 ワークシートには宜保先生考案の「難しい問題に挑む前段階として、考えを整理するオリジナル問題」も用意され、学びを支える工夫をされていました。

授業の流れ

いろいろカード帳で既習事項の確認(分数×整数)
グループで解き⽅や考え⽅を教え合い、代表者が発表する
ラインズeライブラリのドリルやプリント教材で要点をふりかえる


プリントからラインズeライブラリに、冬休みの宿題を置き換えたポイント

  • 保護者の教材費負担軽減や教員のプリント準備・丸付け削減につながることを学年会議で提案し、先生方からの賛同もあり、置き換えを決定
  • 国語・算数・理科などの単元を中心に出題
  • オフライン環境の児童には、ダウンロード学習アプリに課題が配信でき、学びを保障
  • 保護者には、学年便りで置き換えについて案内

インタビュー

一人の100歩より、100人の一歩が大切
(左)校長 大浜 譲 先生、 (右)教頭 花城 正憲 先生
 本校は「学ぶ子 助け合う子 元気な子」を教育目標に掲げ、「不易と流行で、みんなが生き生きする学校」を目指しています。学級経営や授業づくりの「不易」を重視し、その上で「流行=ICT」を取り入れ、個別最適な学びを支えています。
 ラインズeライブラリやICTの活用で、児童には「自己選択・自己決定」「自己調整」の力を育てたいと考えています。実際に、先生は学習状況の把握が容易になり、児童のふりかえりの質・タイピング力向上を実感しています。今後は「一人の100歩より、100人の一歩」を合言葉に、不易も流行も年齢関係なく先生方みんなでチャレンジし、学んでほしいと考えています。(大浜校長)

 ICT活用は、先生方が教材の中身を理解し、その後児童へ活用を広げる段階に進む必要があります。本校では、ミドルリーダーの職員がOJTで支援し、学年を越えて相談や教材研究をする姿が見られます。
 その雰囲気を大切にしながら、持続的な活用を進めていきたいと考えています。(花城教頭)

インタビュー

 石垣市ICT活用基本方針「Ⅰ-プラン」は、従来の「教え込む授業」から「学びとる授業」への転換を目指し、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させ、自立した児童生徒の育成を目標として取り組んでいます。今回、教育委員会学校教育課の皆様にお話を伺いました。

ラインズeライブラリで広がる自立した学び
指導係 情報教育担当
伊波 勇史 指導主事
 子どもが自ら課題を把握し、計画を立てて学習を進める力を伸ばすために、ラインズeライブラリは大きな役割を果たしています。学習ログが残り、既習内容を遡って学び直せる点や、困り感のある子どもでも取り組みやすい点は紙教材にはない強みです。低学年では基本的な学習を重視しつつ、高学年・中学校ではクラウドやAIを活用した授業展開で主体的な学びを広げ、さらなる深化を期待しています。
個別最適と協働的な学びの融合
指導係 学力向上担当
宮良 善起 指導主事
 市の課題は「自分で学習を進める力」の不足です。その一方で、ICT活用は県より進み、子どもたちが既習内容を遡って学び直す姿が見られるようになりました。
 ラインズeライブラリは、自分の現状を把握し必要に応じて復習でき、自己調整力を育てる取り組みにつながっています。今後は学校や小中学校間の接続を強め、学びの系統性を支えることが重要です。デジタル・アナログの双方を大切に、子どもたちが自立して学びを進められる支援を続けていきたいと考えています。
連携で進む石垣市のICT活用
比嘉 幸宏 主任
 市のICT活用は、情報教育担当や学力向上担当の連携と、ICT支援員による現場での伴走支援が重なり合って進展しました。現場での定着は連携なしに実現できなかったと感じています。以前は、学校ごとに教材やツールが異なっていましたが、現在は、ラインズeライブラリの導入やクラウド活用で統一が進み、先生方の負担も軽減されています。ICTは今や学びの道具です。今度も先生方が教育の本質に力を注げる環境整備を目指したいです。
ICT整備で広がる学びと負担軽減
情報教育推進係
村山 信太郎 係長
 市として共通のドリルを整備していますが、まだ独自でドリルやテストを購入している学校もあります。夏休みの宿題をラインズeライブラリで対応した学校もあり、その活用が広がれば、働き方改革にも直結し、先生方の負担や保護者の金銭的な負担も減らせます。ラインズeライブラリを含むICT活用は、子どもたちに学びを保障し、先生方には校務DXで時間の余裕を生みます。その余裕を子どもたちに還元されることが重要だと思っています。
子どもたちの学びを止めないための支援
教育DX推進アドバイザー
西垣 春香 支援員
 学びを止めないための環境整備は、ICT支援員の役割です。日々の授業支援で操作方法を伝えたり、ミニ学習会を開いたり、相談などの地道な取り組みを重ねて、少しずつ「使える」から「自然に使う」へと定着しました。今では、ラインズeライブラリが自然に授業や家庭学習に組み込まれ、テスト前には自発的に学習する姿も見られます。先生の教材準備を待たずに学べ、どの児童生徒でも取り組め、学びの幅が広がっています。今後も先生方と連携しながら、支え続けたいです。

参考:石垣市ICT活用基本方針「Ⅰ-プラン」

 石垣市では全校でICT活用を確実に進めるため、その方針を「Ⅰプラン」と策定し、市内で取り組んでいます。
 ラインズeライブラリは個別最適な学びの実現に活用され、児童生徒一人一人の理解度に応じた問題提示や学習履歴の可視化により、授業と家庭学習をつなぐ学習基盤として位置づけられています。

学び方を選択できる学習の入口

 自由学習では、児童生徒自身が目的に応じて学び方を選ぶことができます。自分で目標を立てて取り組むことで、自己調整学習へとつなげ、主体的に学ぶチカラを育てることができます。

目的に応じた課題出題

 課題出題は、目的に応じて実施時間や提出期日の設定ができ、出題した課題は授業内はもちろん家庭でも取り組むことができるため、家庭学習や長期休暇の課題としても利用できます。
本記事の情報は取材時(2025年度)のものです。