誰一人取り残さない学びの実現へ
―導入の決め手はオフライン機能の確かな運用実績ー

~鹿児島県霧島市での「ラインズeライブラリアドバンス」導入事例~

鹿児島県霧島市
対象 鹿児島県霧島市
学校情報 霧島市立全小中学校43校、児童生徒合計 約10,000人
利用コンテンツ ラインズeライブラリアドバンス
契約開始 2026年4月~

インタビュー

霧島市教育委員会 学校教育課 教育DX推進室 課長補佐 兼 室長 二宮 紀仁 氏
                     指導主事      川内 孝 氏
                     主査        濵屋 秀和 氏
霧島市 総務部  総務課           主任主事      加治屋 佑樹 氏

霧島市の教育について

(写真左より)加治屋氏、濵屋氏、二宮氏、川内氏
 鹿児島県霧島市では、「夢を描き高い志をもって学び続け、共に輝く未来を創る心豊かな人づくり」を教育の基本目標に掲げています。その実現に向け、子どもたち一人一人が「自ら学び、社会の変化に対応しながら、未来を主体的に切り拓いていく力」を育むことを重視しています。
 その中でも特徴的なのが、「きりしま」をキーワードとした教育方針です。霧島の『き』は基礎・基本、『り』は立志、『し』は習慣付け、『ま』はマナーを柱とし、子どもたちが社会の中で自立し、豊かに生きていくために必要な力の育成を目指しています。
 また、地域との連携にも力を入れており、キャリア教育「霧島しごと維新」では、地元企業の見学や体験を通して、将来、自らの進路を主体的に考え、社会の中で自分らしく活躍できる子どもたちを育てることを目指しています。

ラインズeライブラリの導入の経緯

 GIGAスクール構想のもと、タブレット活用は進みつつある一方で、現場では課題も見えていました。
特に大きな課題となっていたのが、通信環境の格差です。広大な市域(東京23区とほぼ同規模)と多様な地理的条件(都市部・山間部・沿岸部など)を持つ霧島市では、地域ごとの環境差により、次のような課題が顕在化していました。
 ・Wi-Fi環境が整っていない家庭がある
 ・一部の学校では端末の持ち帰りに慎重な姿勢が見られる

こうした背景には、通信環境に依存するオンライン学習ツール特有の制約も介在していました。

導入の決め手は「オフライン機能の実績による信頼性」と「実技教科」

 霧島市では複数のAIドリルを公平に比較するため、複数社でトライアルを実施しました。その結果、学習環境の適合性や活用のしやすさを総合的に判断し、「ラインズeライブラリアドバンス」の導入を決定しました。
 決め手となったのは、主に次の2点です。

1.オフライン機能の充実と実績(最大の決め手)
 家庭にインターネット環境がない場合や、通信が不安定な環境でも学習を継続できるオフライン機能は、大きな評価ポイントとなりました。特に、複数年にわたる運用実績があることで、実際の運用の中で発生しうるトラブルや課題にも対応されているという安心感があり、信頼性の高さが評価されました。

2.中学実技教科の収録
 もう一つの重要なポイントが、中学校の実技教科に対応している点です。多くのデジタル教材は5教科が中心であり、実技教科では活用の場面が限られていました。そのため、教科によってタブレットの活用に差が生まれるという課題がありました。
 ラインズeライブラリでは、実技教科の学習にも対応しているため、定期テスト対策なども含めて活用の幅が広がります。これにより、これまで十分に活用しきれなかった教科においてもICT活用の推進が進む点が高く評価されました。 

 こうした機能により、タブレット活用を阻害する要因が少なく、「全ての学校・先生での活用を見据えた、実効性の高いツールである」ことが導入の後押しとなりました。現場では「一度つまずきがあると使われなくなる」という課題もある中で、使いやすさと安定性、そして子どもたちが前向きに取り組める設計が、活用を促進する要素として評価されました。

ラインズeライブラリに期待する効果

 ラインズeライブラリの導入により、子ども・教員双方にさまざまな効果が期待されています。

▼子ども
AI型ドリルによる個別最適な学習:一人一人の理解度や進捗に応じて最適な問題が提示され、個に応じた学習が可能になります。
学習環境によらない公平な学びの実現:オフライン機能により、家庭環境に左右されず、全ての子どもに学びの機会を提供できます。

▼教員
学習状況の可視化による指導の質向上: クラスや個人の進捗度や理解度がデータで可視化されるため、個別の声かけや指導に役立てることができます。
つまずきの把握による授業改善:子どもがつまずきやすいポイントを把握し、次の授業改善につなげることができます。
印刷・採点業務の削減による業務負担軽減:これまで紙のドリルで行っていた印刷・配布・回収・採点といった業務が削減され、働き方改革につながります。

 これらにより、学習機会の格差をなくし、全ての子どもに質の高い学びを届ける仕組みの構築が期待されています。

今後の展望:誰一人取り残さない学びの実現へ

 現状の課題としては、家庭のネットワーク環境の差が依然として存在していることです。せっかく優れたシステムを導入しても、環境の違いによって活用に差が生じてしまうことは、教育委員会として避けたい状況です。
 こうした状況を踏まえ、霧島市では「誰一人取り残さない学び」の実現に向けて、ラインズeライブラリの活用を推進しています。
 オフライン機能をはじめとする本サービスの特長を最大限に生かすことで、通信環境に左右されない学習環境を整備し、全ての子どもに安定した学びの機会を保障していく方針です。

 また、学校への登校が難しい子どもへの学習支援や、長期休業中の家庭学習においても、安心して継続的な学びを提供できるツールとしての活用が期待されています。教員が学校にいながら自宅で学習する子どもの状況を把握できるようになることで、よりきめ細かな支援が可能となります。

 すでに多くの学校でオフライン機能を中心としたラインズeライブラリへの関心も高まっており、霧島市全体で学びの環境整備を進めています。今後は、全ての子どもに学びの機会を届ける体制をさらに強化し、「誰一人取り残さない学び」の実現に向けた取り組みを一層推進していきます。