茨城県 守谷市教育委員会
家庭と学校を繋ぎ、社会に開かれた教育を ~校内ドリルと家庭学習でeライブラリ~

 守谷市では今年度より、守谷型EdTechという教育プランを掲げ、遂行しています。新しい時代を生きぬく子どもたちに向けて、守谷市全体で取り組むICTの活用と、eライブラリの実践についてご紹介します。

演習問題は先生の課題から

守谷市立愛宕中学校

<算数>2年 単元:式の利用

 この日は生徒同士が学び合いを通じ、式の利用について理解を深めた後、先生からの課題として出題された同単元のドリルに取り組みました。
 課題機能を使って事前に学習する教材が指定されていたため、生徒は教材を選ぶ手間なくドリルに取り掛かります。
 指定された教材から、自分に合った難易度の問題を選び、ノートに計算式を書き込みながら一問一問真剣に取り組んでいました。

間違えた問題は解説を確認

 授業は先生が作成したプリントを併用して進めていきます。先生の「間違えたときはなぜ間違えたのかを意識して進めましょう」という声掛けのもと、生徒はなぜ間違えたのかを自分自身で分析し、「解答解説」を読みながらプリントに要点をまとめていました。
 先生は授業後に、ドリルの学習履歴と回収したプリントを見ながら、生徒の理解度や頑張りを確認し、評価にも繋げています。

インタビュー

自分のペースで自分に合った学びができる

 数学は、得意・不得意の差が激しく、練習問題を取り組ませるときに問題のレベルの設定が難しいのが課題でした。eライブラリのドリルは、問題の難易度が分かれており、生徒が自分のレベルに合った教材で学習を進められるところが良いと思い活用しています。
 授業後に実施した生徒アンケートでも「自分のペースで問題を解けたのが良かった」という意見が多く、生徒一人ひとりが自分のレベルに合った問題を自分のペースで、じっくりと向き合い学習することができました。
 今後は、本校の研究テーマの柱である『学び合い』を意識し、授業の最後の5分間はドリルの解説を読んでもわからなかった問題を友達と確認する時間を設け、生徒同士が『学び合い』を通じて、課題解決できる力を身につけさせたいと考えています。

情報担当
湯澤 祐介 先生

家庭学習を週末課題や補充学習に

▲ 週末課題についてのプリント

 愛宕中学校では、eライブラリの家庭学習サービスの運用率9割を目標に推進しています。運用の目的は、自主学習以外にも、週末課題として自主学習ノートと併用した取り組みや、授業を休んでしまった際の補充学習ツールとして活用しています。
 先生は家庭での学習履歴を確認し、クラス全体の活用状況の把握や、気になる生徒の学習結果から、学校での状況と合わせて指導に活かしています。

インタビュー

学校としてどう利用して欲しいかを示すことが大事

 本校では、家庭学習サービスを入試対策や長期休暇前の自主学習ツールとして活用して欲しいと考え、学校便りで再度周知したところ、アカウントについての問い合わせが多く入り、生徒が取り組んだ様子が見られました。
 学校としてアカウントを発行して通知するだけではなく、どう活用して欲しいのかを示し、授業で使い方を紹介することで、家庭での利用へ繋がると感じています。
 今後は現在進めている遠隔授業でeライブラリを組み込ませたり、週末課題として運用するなど、活用方法を広げていきたいと考えています。

愛宕中学校
荒井 克彦 教頭先生

家庭学習活用のポイント

週末課題の1つとして家庭学習サービスのドリルを指示
長期休暇中の自主学習や、傷病で学校を休んだ際の補充学習として利用

インタビュー

守谷市の教育プランと「eライブラリ×遠隔教育」の可能性

 守谷市では今年度より、「プログラミング」「テレビ会議システムを活用した遠隔教育」「オンライン学校・家庭連携サポートシステム」を3つの柱とした『守谷型EdTech』という教育プランを進め、子どもたちの生涯にわたって学び続ける力の育成を目指しています。その中でeライブラリの家庭学習を「オンライン学校・家庭連携サポートシステム」として位置づけ、市内全校の保護者に向けて案内文書とIDカードの配布を行ったり、学校のホームページにバナーを貼るなど、環境を整えてきました。
 eライブラリは、病気療養中や学校に来られない児童生徒の学習ツールとして活用でき、「テレビ会議システムを活用した遠隔教育」と連動させることによって、先生との対話の機会も作れ、学校と家庭をつなぐ大きな可能性を持ったツールだと感じています。
 今後、eライブラリが他のシステムと連動しながら、新しい時代を生きぬく子どもたちの育成の一助となることを期待しています。

守谷市教育委員会
嶋田 知成 指導主事

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