埼玉県 日高市教育委員会
eライブラリで家庭学習の充実~「家庭学習サービス」と「オフライン教材」の使い分け~

 日高市では、eライブラリを家庭での自主学習で活用する「自宅学習システム」を運用しています。
 家庭学習の充実を図ってeライブラリの活用方法を各校に広めるとともに、インターネット接続環境のない家庭向けに、持ち帰り用タブレットを貸し出しています。

ノートとの併用で力を伸ばす

 

日高市立高麗川小学校
情報担当 加藤明彦先生インタビュー

 「家で一人で勉強する習慣をつけさせたい」と考える保護者は多く、 eライブラリは習慣づけの一助になっています。
 多くの問題にチャレンジして力がついていくのはデジタルドリルのよさですが、ただ問題を解くだけではもったいないと感じ、児童にはドリルと併用して「自主学習ノート」をすすめてきました。

児童がまとめた自主学習ノート(抜粋)

 今では、児童が自分でまとめたノートをふりかえれば、間違いの原因と、理解に必要なこと(教科書を読み返したり、問題を解き直したり)がわかるほどになり、自己分析をする力がついています。この「分析とまとめ」の力が、自ら学ぶ力になり、中学進学後やその先で、児童の役に立っていくと考えています。

ポイント

問題を解くだけでなく、解答後に問題のポイントやふりかえりをノートにまとめていくことで、理解度を自己分析することが大事だと、児童に伝えている。

タブレット貸出しルールの工夫

 

日高市立高麗川中学校
教頭 長嶋伸一先生インタビュー

 学習習慣をつけることや、学力の向上・定着が課題と感じるなかで、「市で導入しているeライブラリを活用しない手はない!」と考え、保護者へ積極的に、利用を呼びかけています。
 希望制のタブレットの貸出しでは、市の資産であることを前提に、万が一の破損時の対応等を、あらかじめ定めて書面にしています。きっちりとルール化しておくことが、保護者の安心感につながっています。

eライブラリのオフライン教材を活用

 持ち帰る日は、生徒自身がパソコン教室に来て、貸出し内容をチェック表で確認したあと、eライブラリの教材のダウンロードを行います。
 生徒は覚えが早いので、タブレット本体の操作も教材のダウンロードも20分ほどあれば準備できます。管理する教員は1名で対応できます。

ポイント

「タブレット貸出しカード」と「チェック表」を用意し、本体や付属品の状態を、貸出し時と返却時に生徒自身にチェックさせ、管理している。

月に一度の学習教室「日高塾」

 日高市では月に一度、土曜授業の放課後に、全6校区ごとに小学校の4,5,6年生の希望者を対象として、公民館等で学習教室「日高塾」を開いています。
 地域在住の方々が講師であり、児童が自身の学習に励みながら、地域の方と交流できる場にもなっています。
 これまで、日高塾で用意したプリントや、持参した宿題などに取り組んでいましたが、eライブラリの活用が各校に浸透してきたことで、日高塾にも「自宅学習システム」用のタブレットを一部の地区で取り入れてみました。すると児童は大喜びでeライブラリでの学習に取り組んでいます。

インタビュー

家庭学習の充実は、発信とバックアップの両面から

 日高市では、児童生徒の学力向上につなげたいと、家庭学習の充実を小、中学校に呼びかけています。eライブラリを活用する「自宅学習システム」を整えているのも、その一環です。
 「自宅学習システム」をうまく運用していくポイントは、各校の負担感を減らすことです。そのため、保護者向けの説明資料や、児童生徒向けの手順書などは、教育センターで作成しています。自校の状況に合わせてアレンジしている学校もあります。

 また、利用したいというすべての家庭で「自宅学習システム」を使ってもらうために、日高市として環境を整える必要があります。そこで、インターネット接続環境のない家庭向けに、貸出し用タブレットを整備し、eライブラリのオフライン教材で学習できるようにしました。
 持ち帰る前には、ダウンロードする教材を児童生徒が自分で選ぶため、一週間分の学習計画を立てる自立性や積極性も身についてきました。

日高市立教育センター
松本 信寿 指導主事

自宅学習システム運用の工夫

「自宅学習システム」の手順書を配布したり、eライブラリの機能追加をすぐに紹介したり、学校の取組みのバックアップをしている。
インターネット接続環境のない家庭向けに、貸出し用のタブレットを各校に整備している。
家庭での所持率が高いスマートフォンでの活用もすすめている。パソコンで利用する場合との機能の違いを手順書で解説している。

タブレット貸出しの工夫

貸出しのルールや方法の詳細については各校の裁量に委ねているが、一定の指針は設け、それをもとに各校がルールを決めやすいようにしている。
 例:「インターネット接続環境のない家庭を優先」「貸出し期間は一週間」など
家庭へ貸し出すことが前提であるため、持ち運び用バッグをセットで導入している。

人気記事ランキング

導入事例検索

高校・大学・専門学校向け
塾・学童 他向け

フリーワードから探す