長野県塩尻市立洗馬小学校
eライブラリで復習、確認、補充 ~ 学習履歴を生かし、教材を自分で選択 ~

 かつて来校した犬養毅元首相が「楽学」の言葉を書き残されたという洗馬小学校では「みんなで創る楽しい学校」を目指し、重点目標「できた・わかったがある授業」の手段として、eライブラリを活用されています。
(eLAつうしん 2025年7月号)

「なんとなくわかった」から確実な理解へ

<算数>5年:割合

 「割合」の単元には、百分率、歩合、わりびき、わりましなど、多くの要素があります。それぞれを「なんとなくわかった」から「できた・わかった」へと、確実な理解に前進させたいと考え、担任の髙田先生はこの日、復習の時間を取りました。
 先生からは「苦手克服したいところをeライブラリで選ぼう」と声掛けがあり、児童はこれまでドリルに取り組んだ結果を見ながら、各自で挑戦したい教材を選んでいました。

解説教材を読み、その場でやり直し

 間違えたときには「え、なんで?」と声が上がり、続けて「やり直そう!」と気持ちを切り替え、解説教材をじっくり読む様子も見られました。
 また、問題を繰り返し解いているうちに、児童からは「コツがつかめた!」と頼もしい発言も聞かれました。
 間違えた問題があっても、解説教材を読みその場でやり直せるので、意欲が途切れず集中できるようです。

インタビュー

使い続けていくうち、児童に変化も

 eライブラリはテスト前の苦手克服や、単元内自由進度学習の定着確認と補充に役立ちます。使い始めた頃は、児童にとって、選択肢がヒントになる安心感が大きいようでしたが、慣れるにつれ「学習メモ」で画面に書き込みをしながら考えるようにもなってきています。
 児童の様子や、反応が良かったところを他の教員に共有すると、eライブラリの良さが自然と伝わり、活用する教員が増えていきます。

5年担任 研究主任
髙田 斉弘 先生

自信をつけてからテスト、結果に手応え

 髙田先生のクラスでは、算数のテスト前にeライブラリの「確認テスト」で理解度を知り、テストに進むか復習するかを、児童自身が判断します。テストを受けるチャンスが増えると同時に、「自動個別課題」「自由学習」を活用し、問題に向き合う機会も増えました。

インタビュー

eライブラリを通して学習調整の力を

 「みんなで創る楽しい学校」をグランドデザインの中心に掲げ、学びづくりの手段の一つに、本校ではタブレットを主に「思考を深めるツール」として活用しています。一方eライブラリは、児童、教員ともに達成度や定着度の把握をできるところが強みと考え、活用しています。特に児童が、自分の学習履歴をもとに遡るか先へ進むかを選ぶ助けとなってくれ、活用していくうちに自分で学習調整する力がついていくことを期待しています。

 

 また本校では、学年ごとに研究テーマを定めており、その中に「自由進度学習」があります。児童がより能動的に活動するため満足度が高い反面、ときには学び残しも起こりえます。「確認テスト」でそこを発見し、「自動個別課題」で一人ひとりに合わせた課題に取り組み、補充ができる点で、eライブラリは大変有効です。

校長 細山 和寿 先生

インタビュー

先生方がいきいきと活用する様子を発信、横展開

 タブレットを家庭学習の充実に役立てたいと、持ち帰りを推進しています。まずは「長期休業中から」を目安とし、各小中学校の状況に合わせ実施してもらいました。のちに各学校がどのように役立てたか集計したところ、第1位がeライブラリでした(下図)。課題出題が手軽にでき、学習履歴を個別支援に生かせる点が家庭学習に向いていて、それがこの結果に繋がりました。

 

 活用のポイントや、先生方がいきいきと活用されている様子が横展開されると良いと思い、こつこつと情報発信を続けています。積み重なったそれらが、子どもたちへ還元されると良いと考えています。

塩尻市教育委員会
島津 和浩 指導主事

※本記事の情報は取材時(2024年度)のものです。

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