滋賀県 東近江市立湖東第一小学校
eライブラリで「わかった」喜びの実感を目指して ~学習効果を高めるための工夫とルール作り~

 湖東第一小学校では掃除と5時間目の間を“がんばりタイム”と名付け、算数の基礎基本の定着に向けた取組を行っています。今回は、eライブラリを運用するねらいや、学習効果を高めるための工夫についてご紹介します。
(eLAつうしん 2023年8月号)  ※本件の情報は取材当時(2022年度)のものです。

2週間のサイクルで確実な学力向上を目指す

▲ 児童は指示の前に席に着き、学習を開始

<算数>5年:整数 最大公約数 他

 学習する単元は、次の授業で扱う単元に関連する内容や、前年度や前学期のものが多いそうです。この日は次の単元で分数を学習するため、児童は関連する最大公約数や最小公倍数のドリルに取り組んでいました。
 eライブラリで単元の確認テストを実施し、その後、個別にドリル学習をした後、再び確認テストを実施するという、2週間のサイクルで学力の向上を目指しています。

学習メモに答えや考えを書き込み、考える力を育む

 eライブラリでの学習効果をより高めるために、選択肢を見る前に、学習メモに手書きで解答する習慣づけをしています。
 児童はeライブラリ上で解答した最終的な答えが正答であっても、選択肢を見る前の自分の解答が誤答の場合は間違えた問題としています。学習後も確認できるようにペンの色を変えて解き直しをしていました。

メッセージ機能を使って学習時のルールを定着


 教師は児童に対して、eライブラリのメッセージ機能を使いながら、解答時のルールや操作方法を定着させました。
 児童の学習メモを確認し、指導が必要な場合は、メッセージ機能などをとおして解答時の正しいルールを指示したそうです。また、学習中に操作面でつまずく児童がいた場合は、クラス全員の手を止めて、正しい操作を説明しました。
 こうした取組により、全員が学習時のルールを守って学習できるようになりました。

今後の展望

より個別最適な指導につなげたい

 eライブラリはすべての問題に解答解説がついているので、児童は質問に来る前に自分で考えを整理するようになりました。
 これまでの紙媒体での学習では、準備や丸付け、質問対応など教職員の負担が非常に大きかったのですが、今はその時間でより細やかな指導ができていると感じています。
 これからは確認テストの伸びに合わせて個々の課題を用意したり、eライブラリの自動個別課題を使って、一人ひとりに適した課題を出題したいと考えています。

教諭 脇阪 祐毅 先生      

インタビュー

eライブラリの学習効果や、運用にあたって工夫したこと

 “がんばりタイム”でeライブラリを使うようになったのは、これまでの紙媒体での反復学習に疑問を感じたのがきっかけです。
 紙媒体での学習をeライブラリに置き換えたことで、児童の学習状況や結果の把握が容易であることや、児童の取組意欲の激増など、多くの効果が得られたと感じています。
 また、県指定の「学ぶ力」検証モデル事業の一環として実施したテストでは、昨年の算数の結果を大きく上回り、学力向上の面でもeライブラリでの学習効果を実感しています。
 eライブラリのスムーズな運用のために、脇阪先生のクラスをモデルクラスとして試験的に利用を始めました。eライブラリを使う際の注意点や効果的な利用方法を洗い出したことにより、翌年度に他の学年で導入した際にもスムーズに利用が定着したのだと思います。
 児童には、eライブラリでの学習をとおして、基礎基本の定着はもちろん、自主的に学ぶことや「できた」「わかった」の喜びを感じてほしいと思っています。「わかる」のハードルは児童それぞれです。 しかし、eライブラリであればそのハードルの違いに合わせながら、児童一人ひとりがわかる喜びを実感できると感じています。

校長 村岡 英美 先生         

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