高知県土佐清水市立清水中学校
計画的な活用が授業改善の手立てに ~eライブラリを活用したPDCAサイクル~

 清水中学校では、『生徒一人ひとりが課題意識を持ち、主体的に取り組める授業づくり』を研究主題に、深く考え、表現できる生徒の育成を目指しています。今回は、授業改善のPDCAサイクルを軸に、eライブラリを活用している実践をご紹介します。

学習内容の予習に関連教材を出題

▲ 途中式を書いて問題を解く

 この日の橋本先生の授業は、予習と位置づけ、次の学習内容に関連した2つの教材が先生から出題されました。生徒は、計算用紙に途中式を丁寧に書き、真剣に問題を解いています。「学習結果から個に応じた課題が出題される点に加えて、特に数学では演習問題の量が多く、とても良いです」と橋本先生。課題が終わった生徒は、自ら既習内容の教材を開き、最後まで集中して取り組んでいました。

インタビュー

eライブラリを授業づくりのPDCAサイクル

 eライブラリのドリルや確認テストは、既習内容の定着や予習、理解状況を確かめるために活用しています。学習結果は、教科会で担当同士がクラスの理解状況を確かめたり、気になる生徒の学習状況を個別に確かめたりして、傾向の分析や授業計画、指導方法など授業改善に役立てています。今後は、生徒が家庭学習で学びのPDCAサイクルを循環できるよう指導していきたいと考えています。

教諭 橋本 哲哉 先生       

教科書ページ検索で試験範囲の総復習

▲ 教科書ページを入力して、試験範囲に絞る

 町田先生の授業では、教科書のページ数から学習教材を検索する「教科書ページ検索」を活用して、試験範囲の総復習をしました。いろいろカード帳の元素記号で学習した後、さらに単元別プリントで定着を図ります。「まとめて答え合わせをするのではなく、1枚解き終わったら、必ず解答プリントを見て丸つけをしましょう」と町田先生。すぐに丸つけをすることで、自分のつまずきをその場で気づかせ、定着させることがねらいとのことです。

インタビュー

検証の結果でわかった、理科での効果的な活用

 2年の理科は、原子・分子から学習が始まるため、基礎的な内容が定着していないと次の内容に進めません。理科のいろいろカード帳は小・中学校の内容を反復学習できるため、導入の5分間で定着しているかを確認するときに役立ちます。また、プリント教材も良問が揃っていて、単元のまとめや実力テストに活用できるので、教材準備の時間短縮にもつながっており、重宝しています。

教諭 町田 憲彦 先生       

ドリルで10分間の補充学習


▲ICTを文房具と同じように扱う

 清水中学校では、学力向上を目指し、学校全体で帰りの学活前の10分間に補充学習を実施しています。各教科の先生がその日の授業で学習した内容に沿って課題を出題し、翌週に1週間分の学習内容の定着状況を確かめるテストを行います。eライブラリのドリルは、数学・理科・社会・英語で活用しており、生徒は基礎的な内容から順に自分のペースで取り組んでいるとのことです。

ダウンロード学習で、生徒一人ひとりの学びを保障


▲タブレットに教材をダウンロードして家庭で学習する

 昨年度の夏休みは、オフラインで学習できる、ダウンロード学習を宿題として利用しました。インターネットに接続できない環境の家庭へ、学びを保障できたことをきっかけに、3学期からは、通常の宿題に加え、国語・社会・数学・理科・英語の家庭学習課題として運用を始め、本年度も継続しています。

インタビュー

授業改善に向け、教員が一丸となって取り組む

 本校では、『自立・協働・創造』を学校教育目標に、「一人ひとりが課題意識を持ち、主体的に取り組める授業づくり」を研究主題とし、ICTを活用したさまざまな取組をしています。特に力を入れているのは、「授業改善」で、組織力向上のため、複数の教員がそれぞれ3学年の教科を担当する「縦持ち制」を取り入れています。週1回の教科会と隔週の教科主任会を行い、授業でICTを活用するタイミングや生徒の学習状況を共有したり、指導の方向性について議論しながら、より良い授業の実現を目指し、日々切磋琢磨しています。学習面では、基礎的な内容を習熟させるために、授業や補充学習、家庭学習でeライブラリを活用しています。昨年度より国語や数学の成績に前向きな変化を感じています。

校長 斧川 哲也 先生      

インタビュー

デジタル社会への適応と教育格差の是正

 土佐清水市では、将来、子どもたちがデジタルのあふれている社会に出て、ICTを使いこなせるように、「デジタル社会へ向けた教育の推進」を大きな柱としています。そのため、学校でも家庭でもICTを文房具と同じように積極的に活用してほしいと思っています。また、都会と比べると教育格差もあるので、デジタル教材を効果的に活用して、この格差を是正していきたいと考えています。eライブラリは、学習結果から個に応じた問題が出題されるため、個別最適な学びが実現できます。子どもたちも興味関心をもって取り組む姿も見られるようになりました。

土佐清水市教育委員会      
教育長 岡﨑 哲也 氏      

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