熊本県 合志市立西合志中学校
生徒が主体的に学び、学びの成果を実感 ~評価基準を設け、生徒の学びを見取る~

 合志市立西合志中学校では、「夢の実現に向けて、挑戦し続ける生徒の育成」を教育目標に掲げ、学校運営を行っています。今回は、授業での活用とeライブラリの学習結果を学習評価の参考にしている実践をご紹介します。
(eLAつうしん 2024年2月増刊号)

学習課題のヒントを「解説教材」から調べる

▲ 正多面体の特徴を「解説教材」で調べる

<数学>1年:空間図形

めあて:多面体・正多面体の特徴を調べることができる

 この日は、全員でめあてを確認した後、学習課題のプリントが配布されました。「わからないところは、空間図形の模型やインターネットで調べて良いです。頑張りましょう」という加來先生のかけ声で一斉に始まります。生徒は、要点のまとまっているeライブラリの解説教材で調べたり、模型で面・辺・頂点を数えたりと、さまざまな方法で図形の特徴を調べていました。グループワークの時間になると、各々が調べたことを基に友達同士で教え合いが始まり、意見交換がきっかけで気づきが生まれているグループもありました。

授業の終末は、ドリルで定着を目指す

▲ 学習内容の定着にドリルで復習する

 授業の終末は、プリントで学習した内容の定着を目指しドリルで復習です。つまずいた問題は、「1回で終わらず、リトライして、100点を目指す」というルールのもと、解説や解答解説を確かめながら、繰り返し学習しています。「eライブラリを活用するようになってから、取組時間や学び直しをしている様子も把握できるようになりました」と加來先生。生徒一人ひとりの理解状況に加え、学びに向かう姿勢も見取れるようになったとのことです。

学年ごとのグループに課題を出題し、評価基準の土台作り

▲ 各学年をグループに登録して課題を出題

 学年ごとに課題を出題するために、「グループ管理」を使って、学年ごとのグループを作成しています。教科担任制の中学校では、学年単位で同じ教材を効率よく出題でき、eライブラリの活用状況による評価基準のずれもなくなるとのことです。また、加來先生は、出題する問題のレベルや内容を統一することで、一つの基準を設けており、公平性をもった評価になるよう運用の工夫していました。

取組状況を評価「主体的に学習に取り組む態度」の参考に

▲ ドリルと解説教材の「学習回数」を参考にする【成績管理へ】→【個人ビュー】→【教科】【期間】設定

 数学では、出題した課題の学習回数を学習評価の「主体的に学習に取り組む態度」につけています。 「勉強が苦手な生徒にとって、難しい問題に取り組ませることが個別最適化なのかと疑問を感じていました。自分にとって必要な学習に向かう姿勢を、しっかり評価したいと思い、学習回数を見取ることにしました」と加來先生。頑張った分、評価に反映することもあり、生徒は、これまで以上に主体的に取り組むようになったとのことです。

インタビュー

生徒の主体性を育むため「生徒が主語」に

 本校では、『認め、ほめ、励まし、鍛えて伸ばす』をテーマとし、教職員が生徒の育成に取り組んでいます。日々、心がけているのは「生徒が主語」になることです。人に指示されるだけでは、どのような活動も長続きしないため、生徒を主体にさまざまな活動をしています。最近では生徒会と児童会が学習規律をテーマに、学習しやすい環境づくりについて討論会をしました。
 eライブラリは、授業の導入とまとめ、家庭学習、最近では朝自習で活用しています。朝自習は、基礎基本の徹底や用語の確認を目的に、教科ごとに曜日を決めて取り組んでいます。また、eライブラリは教材数が豊富で、紙教材を購入しなくなった教科もあり、教材費を抑えることができました。さらに、教材準備や採点の時間短縮など、教員の働き方改革にもつながりました。

校長 田﨑 英明 先生

インタビュー

自分に合った教材を学習することで、学習意欲も高まる

 これまでの紙教材では、ただ答えを写すだけの生徒もいましたが、eライブラリを活用してからは、「考えてみよう」「やってみよう」と学習意欲が高まっています。また、教材が難易度ごとに分かれており、自分に合った教材で繰り返し学習できるので、学力低位層から中位層の生徒にとっては、取り組みやすい教材だと思います。生徒同士の会話からも「どうしてそんなにできるようになったの?」「ここに解説があるから読めばわかるよ」というやり取りが聞こえてきます。同じくらいの学力の生徒同士が自分の成功体験を共有し合うことで、自然と学び方も身についてきました。

数学・情報担当 加來 直之 先生

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