大阪府 能勢町教育委員会
自主学習を前向きに行う工夫 ~学校・家庭・地域・行政が一体となる学校づくり~

 能勢町には、「こどもたちを学校・家庭・地域・行政が一体となって育てる」という理念があります。平成28年度には、町内の全ての小・中学校を再編整備し、小中施設一体型の「能勢ささゆり学園」を開校しました。
 規模が大きくなったことで実現できる学校づくりの取組みの一つ「アフタースクール」は、学習機会を増やし、地域の方との関わりを持つ場として期待されています。

学習機会を増やす「アフタースクール」

▲ がんばりに応じて、色分けしたシールをノートに貼り、記録します。

 能勢町では放課後に子どもたちがスポーツ、伝統文化等の教室や自主学習教室に参加できる「アフタースクール」という取組みを行っています。各教室では地域の方が、「支援ボランティア」として子どもたちを見守ります。
 週2回の自主学習教室では、宿題・漢字等の検定対策・eライブラリの自由学習を30分ずつの短い時間設定で行います。子どもたちの集中力を切らさず「もう少しチャレンジしたいな」と思わせ、次回の参加につなぐための工夫です。

 eライブラリを利用する情報学習センター(パソコン教室)は各自の座席がパーテーションで仕切られており、自分で決めた目標の教材に、集中してしっかり取り組むことができます。

 1年生は、ドリルの問題文を音読しながらゆっくりチャレンジし、何度も100点を取っていました。3年生には英語教材「ゴー!ゴー!サンセットタウン」が人気で、友達と教えあいながら聞き取ったことをまとめる姿もみられました。

  • ▲ランチルームで宿題と検定の勉強

  • ▲情報学習センターでeライブラリ

インタビュー

eライブラリで子どもたちの学習意欲を伸ばしたい

 能勢町では、自主学習の時間が短い子どもが多く、また地域柄、学習塾が少ないため学校の授業以外で力をつける機会が少ないことが課題でした。「アフタースクール」に自主学習教室を設け、そこにeライブラリを取り入れたことで、学習機会を増やす場になってほしいと考えています。

 eライブラリを導入する決め手になったのは、「自宅でも学習できること」と「子どもが自主的に取り組めるよう、細やかな工夫がなされていること」でした。例えばドリルを採点するとき、記録して終わりではなく、「リトライ」で何度でもやり直しをするよう導いてくれます。
 また、教科書に沿ったドリルのほかに多様なコンテンツがあり、学習意欲の低い子どもも、「これが好き」「もっとやってみたい」というものを見つけやすいことも良い点です。
 今後はドリルの学習履歴を活用し、子どもたちへの学習のアドバイスに活かせるようにしていきたいと考えています。

能勢町教育委員会 学校教育課 
課長 辻 新造 氏

個別学習に、eライブラリのさらなる活用を

▲ 左から木寺先生、福島副校長、遠藤校長

 本校の教育目標は「小中9年間で、全ての子どもに自立して社会で生き抜く力を育む」です。小学校1年から中学校3年まで幅広い児童生徒が在籍しており、発達段階や学年に応じたサポートが必要だと考えています。

 例えば小学校4、5、6年は、学力テストの結果から理科と社会の基礎に課題を感じていました。そこでeライブラリの「単元別プリント」を冊子化して4、5、6年一人ひとりに配布し、問題に触れる機会を増やして基礎の定着を図っています。

▲ 難易度を選べる「単元別プリント」を活用

 中学校では自主学習の習慣をつけたいと考え、主に二つのことに取り組んでいます。一つは自主学習ノートです。生徒が前向きに継続できるよう、学習内容は自由としています。もう一つは放課後学習です。時間を20分に絞って毎日実施することで、参加する生徒には「学習に取り組むリズム」が身につきます。

 今後、本校にタブレットパソコンが導入されるので、eライブラリを使った学習がより手軽になります。eライブラリをさらに活用していくため、「アフタースクール」のように個別学習のツールに取り入れたいと思います。

「家庭学習サービス」保護者体験会

▲ 学校のホームページに「家庭学習サービス」のリンクと、使いかたガイドを掲載しています。

 能勢ささゆり学園では、自主学習を推進するにあたって、eライブラリの「家庭学習サービス」の活用も目指しています。
 一人でも多くの保護者へ周知できるように、PTA総会と同じ日にeライブラリの操作体験会を開催しました。

 30分ほどの体験会後のアンケートでは、参加者の100%が「これから子どもに使わせたい」と回答する好評ぶりでした。また、「宿題以外の自主学習の方法を探していた」「学校で習ったことを、家で確認できそう」「前の学年のふりかえりができて良い」という回答もあり、学習内容への関心の高さがうかがえました。

アフタースクールのポイント

学校の再編整備前から一部の学校で活躍されていた「放課後ボランティア(地域の方)」と学校の関わりを絶やさないために、再編整備後も仕組みを引き継いだ。
学習の記録をつけるノートを作り、成果を形に残すだけでなく、「アフタースクールの約束」を載せたプリントをノートに貼り、ルールに対する意識を高めている。

能勢ささゆり学園の工夫

「単元別プリント」の冊子は、ノートと一緒に利用している。解答等はノートに記入する決まりとし、冊子の問題は何度でも活用することができる。

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