埼玉県 久喜市立久喜小学校
自由進度学習にeライブラリ ~児童も先生も学びの方向性を見通す~

 久喜小学校では、『イノベーション力の育成』を学校教育目標に掲げ、「予測困難な未来が来ても、それを乗り越えるために必要な力」の育成を目指しています。日々の授業では、さまざまな自由進度学習を取り入れて授業デザインをしており、今回は、eライブラリを取り入れた実践をご紹介します。
(eLAつうしん 2025年3月増刊号)

到達度を確かめ、学びの方向性に見通しをもつ

▲ 前時に「授業支援機能」で出題した問題の正解率と問題をふりかえる

<算数>6年:算数のまとめ(算数卒業旅行)
     ~「数と計算」領域の総まとめ~

 竹下先生は、「学びの方向性に見通しをもって進める」ことを大切に自由進度学習の授業を行っています。授業の最初は、児童が自分の到達度を知り、本時の目標を立てるために、前時の授業支援機能の結果をふりかえります。「基本的な内容はできてきましたね。今日は80%以上の正解率を目指しましょう」と伝えると、「一斉自由学習」が出題されました。

習熟度に合った問題を、自分のペースで取り組む

 児童はドリルが終わるごとに、自分の学習傾向を確かめ、習熟度に合った問題に取り組むというサイクルで学習します。児童からは、「あっ!分数があまりできなかったから、eライブラリから分数の苦手をなくそうって言われてる」と声が上がります。苦手な単元も、基礎的な問題から選択できるため、各々が自分のペースで真剣に取り組んでいました。

学習の見取りから、学習方法の評価・分析につながる

▲ 一斉自由学習を出題すると、児童の取り組んだ教材の学習状況や問題の正答・誤答がモニタリングできる

 「習熟度に応じてeライブラリがナビゲートする教材と学習結果が一目で確認できるので、一人ひとりの学びをコーディネートしやすくなります」と竹下先生。モニタリング画面の取組状況を見て「しっかり解説の教材で確認しているね」「リトライして、じっくり考えて取り組んだね。次はどうする?」と声をかけています。一人ひとりに寄り添った、この学習の見取りが、自由進度学習で目標を達成するために、適切な学習方法なのかを互いに評価・分析する視点にもつながります。

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本時の到達度チェック!成長できる喜びを全員で共有

▲ クラスが一丸となって正解率向上を目指す

 授業の最後は、授業支援機能を使って到達度を確かめるテストです。「数と計算」の領域は、単元をまたぐ内容のため、テンポよく出題できるように、各単元の重要な要素の問題を予めテンプレートへ登録しています。問題が出題されると、児童は一斉に取り組み、先に解けた児童から、まだ頑張っている友達へ「できるよ!」「頑張って!」と励ましの声がかかります。問題を解き終え、前時の結果と比較すると正解率が上がり、拍手が沸き上がっていました。

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インタビュー

自分の学び方を自己選択・自己決定

 本時では、「どのような学びを進めたら、自分の力になるのか」を自己選択・自己決定し、主体的に取り組めることをねらいにeライブラリを活用しました。学習結果から次の学びを進められない児童にとって、学習状況や理解度を視覚的に捉えやすいeライブラリは、次に何を学習したら良いかがわかりやすいと思います。継続的に活用することで、自分の得意や苦手がより詳細に見えるため、授業で学習したことを自発的に家庭で復習するといったサイクルも生まれました。これまでは、教員が主体の授業でしたが、今後は、eライブラリなどのICTを活用しながら、教員が伴走者となり、児童一人ひとりが主体的な学びを進めていけるように授業づくりをしたいです。

教諭 竹下 透 先生

インタビュー

学び方を選べるAI型ドリルで自分の学びと対話

 eライブラリは、単元学習やタイルマップ学習など、「自由学習」から児童が学び方を選んで取り組めるように工夫されています。加えて、学習結果に応じて得意や苦手がナビゲーションされるため、児童自身が学びの立ち位置をインスピレーションでき、主体的に取り組めるところがとても良いと感じています。学習後のふりかえりも、温か味のある植物の成長から達成感を得たり、ナビゲーションから「チャレンジしよう!」と刺激を受けたり、自分の学びと対話しながら取り組んでいるのが見取れます。AI型ドリルと言うと機械的なイメージを持つ方もいますが、eライブラリは、教員が採点や手記でフィードバックしているような感覚で活用できます。

主幹教諭 太田 我矩 先生

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