⿃取県⽶⼦市⽴啓成⼩学校
eライブラリを複線型授業に ~進度に合わせた教材の選択と理解状況の確認~

 啓成⼩学校では「新しい時代を創造する⼈間性豊かなたくましい⼦の育成」を⽬標に掲げ、⼦どもの⾮認知能⼒の向上を⽬指しています。複線型授業で、⼦どもたちそれぞれが設定したテーマや学習の進度が異なる中で、教科書の要点を押さえることができるようeライブラリを取り⼊れている活⽤例をご紹介します。
(eLAつうしん 2025年5月号)

教科書から情報収集し、レポートにまとめる

▲ 先⽣は授業の最初に課題の進め⽅を説明する

<社会>5年:自動車をつくる工業

 単元を通して、⼦どもたちがそれぞれの視点で 「⾃動⾞をつくる⼯業」について課題を設定し、レポートをまとめていきます。
 最初に、課題設定のためのヒントが先⽣から提⽰されます。⼦どもたちは、グループワークか個⼈ワークか、レポートは紙かスライドかなど、⾃分で課題の進め⽅やツールを決めて取り組み始めました。

eライブラリで教科書の要点を押さえる

▲⼦どもは問題を解いて、要点を理解する

 レポートがひと段落した⼦どもたちは、eライブラリで「⾃動⾞をつくる⼯業」のドリル問題を解き始めました。⼀⻫指導で知識を定着させる場⾯を減らし、短時間で⼦どもと先⽣が授業の理解状況を把握することができます。
 複線型授業では、⼦ども主体で授業が進⾏するため、教科書の要点を理解できているかをeライブラリの問題を解いて、確認します。

⼦どもが⼯夫して、学び⽅を変えていく

▲⼦どもが先⽣に課題の途中経過を確認する

 複線型授業のスタイルに慣れてきた⼦どもたちは「調べる前にeライブラリに取り組むと、わかりやすい」と先に要点をつかんでからレポートをまとめたり、進度が遅れていることに気づいて「あと○分だから、ざっとまとめてあとで詳しく書いた⽅が良いよ」と友だちに提案したり、⾃分なりに考えて課題を進めます。
 先⽣は時間の経過や⼦どもの進捗を⾒ながら学び⽅のヒントを出したり、不⾜している情報に気づかせたりしていました。

インタビュー

⼦ども主体の学びを⽀える授業デザイン

 本時の授業では、⼦どもが調べた情報を「関連付ける」ことができるように意識させています。さらに学習が進むと、それぞれのレポートをホワイトボードに貼れるだけ貼って、「⾃分はこんなことを調べた」「こことここはこうつながっているよね」とお互いの資料を関連付けながら深めていく段階に進みます。
 このように、情報を集めたり、関連付けたり、友だちと話し合ったりしながら、 ほとんどの時間を⼦ども主体で進⾏しています。⼦どもの学習の定着を確認する時間が限られた中でも、⼦ども⼀⼈ひとりの学習進度に合わせて、eライブラリから⾃分に合った教材を選択でき、授業で⾝につけた知識が正しいかを短時間で確かめられるところが「主体的・対話的で深く学ぶ授業づくり」の⽀えになっています。

5年生担任 足立 遼介 先生

インタビュー

⾃ら学ぶ⼒を引き出すeライブラリの活⽤

 eライブラリは、⼦どもが⾃分と向き合い、苦⼿な単元を⾃分の⼒でフォローアップすることができます。また、ドリルやプリント教材、テーマなどを選んでどんどん⾃分を⾼めることができます。「宿題以外にも⾃分から挑戦してみよう!」や「まだ習っていないけど、次の学年に挑戦してみよう!」と知識の定着をはかる場⾯で⼦どもが⾃ら学びに向かう⼒を⾝につけてほしいと考えています。
 本校では、⽬標を持って前向きに学習できる「⼈間性豊かなたくましい⼦の育成」を⽬指し、今年度からは「⾃分と向き合う⼒」「⾃分を⾼める⼒」「他者とつながる⼒」の観点で⾮認知能⼒の向上を意識した授業づくりに邁進しています。その取り組みの⼀環として、複線型授業にeライブラリを取り⼊れながら、先⽣の授業⼒アップに向けた活⽤⽅法も⾒出していきたいです。

校長 安部 悟 先生

※本掲載内容は取材当時(2024年度)のものです。

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